M3141●江戸明治和本●〈小笠原流・躾方絵本〉男重宝諸礼訓 寛政頃 往来物 その他

●江戸明治和本●〈小笠原流・躾方絵本〉男重宝諸礼訓 寛政頃 往来物
【判型】半紙本1冊。天地227粍。
【作者】鳥飼酔雅ほか作。
【年代等】寛政頃刊。［大阪］吉文字屋市左衛門板。
【備考】分類「往来物」。宝暦6年頃刊『絵本諸礼訓』（鳥飼酔雅編、月岡丹下（馬渕丹下）画）、明和8年刊『〈人間〉記憶秘法』（久保田雲亭編）、寛政8年刊『状文章』（書台閣編、鈴木忠侯書）の板木を集めて一冊とした教訓書。全5章から成り、第1章「諸礼の次第」と第2章「当流躾方」はもと『絵本諸礼訓』で、「路次(みち)・座敷贈答(おくりこたえ)の礼」「饗応亭主心得之事」「通(かよい)乃次第」「喫茶の礼(せんじちゃのむれい)」「飲食(いんしい)の礼」「盃乃礼之事」「元服乃礼」「当流躾方五十箇条」の諸礼を挿絵を交え簡潔に説く。第3章「物覚能成伝(ものおぼえよくなるでん)」はもと『〈人間〉記憶秘法』で、呉門先生相伝の暗記法である「記憶伝」「擬託法」「種子法」「種子図」「器物験証」「心法」「無形(むぎょう)・有形(うぎょう)」「繁文」「源氏験証」「限法」「惣論」「万象記認法(ものみしりのほう)」の12項について述べる。第4章「かな文章」と第5章「用文章」はいずれも『状文章』相当部分で、前者（頭書）の前半「かな文章」は各月毎の往復24通の消息文例、後半「ちらし書文章」は3段・5段・7段各様の散らし書き文例を収録する。一方後者は『状文章』の本文で、「年始之状」以下各月往復文24通と移徙・元服・安産・振舞・餞別の祝儀状5通の合計29通を収録する。以上のように総合的だが通俗的な礼法書である。なお、『絵本諸礼訓』に『絵本岩手山』『絵本言葉花』『素室小諷』を合わせて5冊本とした『諸礼教訓文庫』が明和4年頃、大阪書肆・吉文字屋市兵衛から刊行された。
★原装・題簽付・概ね美本。稀書（全国に所蔵数カ所（国文学研究資料館DB））。
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